「菜々!久し振り!」

「瑠璃⁈
やだ、前よりお腹大きいじゃん、大丈夫なの?」

妊娠9ヶ月の大きなお腹の彼女、菜々の親友副島瑠璃、旧姓坂本瑠璃だ。

大学には進学せず、地元の中堅企業に就職し、22歳で5つ上の人と結婚した。

23歳で母親になり、おめでたはこれが2度目だ。

「うん、どうやら双子ちゃんみたい。
あっ、見た目程、苦しくないし、ほんと大丈夫」

「お腹触ってもいい?」

「うん、どうぞ?」

菜々は恐る恐る副島のお腹に手をやる。

ゴニュ

「!!!っ
今、動いた⁈」

菜々は驚いたような嬉しいようななんとも言えない顔を瑠璃に向けた。

「初めましてぇって、菜々に挨拶してるんだよ」

「そっか、そっか、初めましてぇ、瑠璃のベイビィちゃん達。菜々だよ?よろしくね!」

菜々は、瑠璃のお腹に顔を近付けた。




「もっちゃん、昼間はありがとな」

佐久間がビール片手に彼女達のテーブルにやって来た。

「……えっ?
まさか会社の番号教えたの瑠璃だったの?信じられないっ」

「だって、あたしが何度誘っても行くって言わないからぁ」

「だって手元にハガキないんだから、返事のしようがないじゃん」

「だから、委員長に頼んだんじゃない」

ペロッと舌を出しおどける瑠璃。

「勘違いすんなよ?
俺が連絡先聞き出したんだからな?
ったくよぉ、いつの間に変えたのか知んないけど、携帯は繋がんねぇわ、引っ越してるわ、お前、連絡先位……「あ〜、わかったわかった!私が悪かったわ。連絡先知らせないでごめぇん」