王子
「やっぱりもう……
どこにもいないのだろうか……」


大臣
「王子…………
もし。この家には、他に娘がおらぬのか?」


継母達はギクッとなりました。
シンデレラのことを思い出したからです。
行方不明だなんて
言いづらかったのですが……

変にごまかしたりして、
後からバレたりでもしたら、
えらいこっちゃ!

なので、勇気を出して
正直に述べることにしました。


継母
「あのー、実はー……
もう一人いるのです……」


大臣
「何だって!?その者はどこへ!?」


一番目の姉
「それが……一週間前から
行方不明なんです」


大臣
「一週間前から!?
ちょうど舞踏会があった日ではないか!」


二番目の姉
「はい。でも、
その子は舞踏会には参加していなくて
留守番をしてたのです。なのに、
帰ってきたらどこにもいなくて……」


王子
「もしかして……その方が……」


すると、一人の兵士に心当たりが……。


兵士
「そういえば大臣様。
怪しい娘を一人、牢に捕らえてますが……
あの者は?」


大臣
「はっ!そういえば別の兵士が、
灰だらけの娘を捕まえたと
報告しておったな」


継母
「えっ!?灰だらけの娘!?まさかっ……」


王子
「それは本当か!?大臣!」


大臣
「申し訳ございません、王子。
忘れておりました」


王子
「謝ることはない。よく思い出してくれた。
今すぐにお城に戻ろう!」


継母
「あのっ!図々しいお願いではありますが……
私達も連れていっては下さいませんか!?」


大臣
「えっ?」


継母
「もしかしたら、その灰だらけの娘とは、
行方不明の娘かもしれないんです!」


王子
「そうですか……わかりました。
では、一緒に参りましょう」


継母
「ありがとうございます!」


優しい王子様は継母達をも連れて、
急いでお城へと戻っていきました。