継母
「シンデレラったら、
一体どこへ行ってしまったというんだい!」


一番目の姉
「もういなくなってから一週間ぐらい経つよ」


二番目の姉
「もしかして舞踏会に
連れていかなかったから、
すねて家出でもしたんじゃない?」


継母
「そんなんで家出するんだったら、
コキ使われてる時点で家出してるわよ」


一番目の姉
「そりゃそうよね……」


継母
「何か……いたらいたでイジメてたけど……
いざいなくなると、心配だねぇ……」


一番目の姉
「しかも、私達家事が出来ないから
家が荒れ放題よ」


二番目の姉
「シンデレラが文句言いながらも、
一生懸命やってたものねー」


継母達は、シンデレラがいなくなって初めて
その存在の大きさに気づかされました。


と、誰かが家に訪ねてきました。


「ごめんくださーい!」


継母
「はーい、どちらさん?」


ガチャッとドアを開けると、
そこにはお城の大臣と兵士達、
そして……王子様が立っていました。

突然の大物の来客に、
継母達は大変驚きました。


継母
「えっ!?ど、どうして王子様が
こんなところに!?」


王子
「実は……こちらの
ガラスの靴にピッタリ合う娘を
探しているのですが……
まだ見つかっていないのです」


王子様がそう説明をすると、
大臣が片方だけのガラスの靴を見せました。


大臣
「で、この家が最後なのだ。
そちらの娘さん二人にも、
ぜひとも履いていただきたい」


継母
「それは構いませんが……
もしピッタリあったらどうなるのですか?」

大臣
「王子様が探していた娘と見なし、
お妃様になっていただきたいと思います」


継母
「お妃様に!?
わかりました、すぐに履かせます!
お前達、この靴を履いてみるのよ!」


姉二人
『は、はい、お母様!』


さっそく一番目の姉が履こうとしますが、
足が大きくて入りません。

続いて二番目の姉。
今度は足が小さくてブカブカでした。

やっぱり二人とも合いません。

まさかとは思いながらも、
継母も試しに履いてみましたが……
やっぱり合いませんでした。

王子様達は、
最後の頼みの綱だった家にもいないと知ると、
かなり絶望的になりました。