大臣
「王子ー!!一体何をしておられるのです!!
ボールがなかなか見つからないと思ってたら、
こんなところにまで転がっていたとはっ……」
大臣は、血相を変えて駆けつけました。
王子
「ハハッ、すまない。
ボールが転がってきたから、つい……」
大臣
「つい、じゃありません!!
神聖な踊りの場でリフティングなんぞ……
国王が知ったらお怒りですぞ!!」
王子
「いいじゃないか、別に。
それに、大臣の不注意で
ボールが転がって来たんじゃないか」
大臣
「うっ!それもそうですがっ……
元はといえば、
王子が持ってきたのがいけないんですよっ!!
とにかく、今度こそ没収ですっ!!
ちゃんと踊って下さいよっ!!
まったくー……」
大臣はボールを抱えると、
ぶつぶつ文句を言いながら
つかつかと去っていきました。
シンデレラ
「王子様……大丈夫ですか?
大臣さん、相当怒ってましたが……」
王子
「心配しないで下さい。大臣が怒るのは
珍しいことではありませんから。
それに……
あなたのおかげですごく楽しいので、
怒られても全然平気です」
シンデレラ
「……アハハッ。私も王子様のおかげで、
すっごく楽しいです!」
王子様とシンデレラは、
本当に楽しそうに笑い合いました。


