一方その頃──


身支度を済ませたお城の王子様が、
自分の部屋でリフティングをしていました。

実は王子様、
サッカーがものすごく好きなのです。
そのうえイケメンで心優しい性格なので、
周りの人々にとても愛されていました。
特にメイド達の間では、
ファンクラブが出来るほどの人気っぷりです。


コンコンッ!


王子
「はーい。入っていいぞ」


大臣
「失礼致します」


部屋に入ってきたのは、お城の大臣です。

それでも王子様はお構いなしに、
リフティングを続けました。


大臣
「王子、さすがです!お見事!」


大臣は、
王子様の華麗なボールさばきに感動し、
思わず拍手をしました。


王子
「ありがとう大臣。
こんなのも出来るぞ……ホラッ!」


王子様は、足から背中へと、
ボールをヒョイと乗せました。


大臣
「ほほぉ~!いやぁ~実に素晴らしい~!
 ……じゃなくて!王子っ!
こんな時にまでサッカーをしてー!
準備が整っているなら、
早く会場にお越しになって下さいよ!
皆がお待ちかねですぞ!」


王子
「ごめん。つい夢中になっちゃって……
すぐに行く」


大臣に注意をされた王子様は、
やっとリフティングをやめました。