「わ、私と不破さんはっ、ただの上司と部下だから……! その上司と部下が、キスなんてしたら変でしょ……!?」
今度こそ、まるで言い訳にしか聞こえない弁解の言葉。
必死になればなるほど思う壺だとわかっていても、どうしても必死にならざるを得ないのは……引き合いに出されているのが、あの不破さんだから。
私の上司の、不破さんだから。
「じゃあ、仮にもしアンタたちが、ただの上司と部下だとしてもね? そこに恋愛感情があったら、例え上司と部下でも、キスしたって変じゃないでしょ」
「だからっ! 恋愛感情とか、コレっぽっちもないし!」
「何かされるかもって、期待したくせに?」
「……っ!!」
真っ赤になる私を前に、マキは面白そうに口角を上げた。
その仕草が、なんとなく不破さんを彷彿とさせて、余計に身体が熱を持つ。
いや、ここで何故、更にマキを不破さんに繋げようとしてるの私……
っていうか、マキ、絶対楽しんでる。
絶対、面白がってる。
ああ……もう。なんで、こうなった?
そもそもマキの言った言葉を不破さんに言われた言葉と重ねてしまったところから始まって、つまりは何が原因でこんなことになってしまったかといえば、やっぱりそれは…………



