「平日は朝から晩まで会社に缶詰、深夜に帰宅して死んだように寝て、また朝起きて出勤して……以下略。休日は日頃の疲れを癒やすかの如く寝てるか、出掛けても男との出会いはなさそうなとこばかり」
「……それは、私が唯一休日の楽しみで出掛けるカフェや本屋さんや、エステや……お寺巡りのことを仰っているんでしょうか……」
「そう、その寺巡り!アンタ、どんだけ寺好きよ!?」
「だって、鎌倉とか……休日に出掛けて、お寺行ってマイナスイオン浴びて癒やされて。帰りがけに大好きなカフェ行って読書とか最強コースなんだもん……」
「呆れるわ」と。
言葉の通り、心底呆れた声で言われるから、テーブルに伏せた顔を上げられない。
「私や蘭が働き出して、もう7年だよ?7年、そんな日々を繰り返してるんだよ?」
「…………、」
「以上を踏まえた上で、その辰野さんという人が現れたのが、奇跡のように感じない?」
「…………確かに、奇跡かも」
「でしょ?」と、当然のように言い切るマキを前に、もう返す言葉も見つからない。
四方八方から的確に責められて、せめてもの抵抗がテーブルに突っ伏すことだなんて負け犬の遠吠えもいいところだ。



