私の主張を呆気無く一蹴すると、マキは枝豆の莢を揺らしながら「生、おかわりー。あ、ジョッキで」と、通りがかりの店員さんに声を掛けた。
……オッサンだからね、ホント。
ホント、見た目とのギャップが凄いから。
「でも、もしそうだとしても、辰野さんに関しては大切な仕事相手だし……ハッキリ言って、それ以上には見れないというか……」
「ハァ……蘭、アンタ……。そんなこと言ってたら、これから一生彼氏なんて出来ないよ?仕事一筋の蘭が、仕事以外での出逢いなんてほぼないんだから」
「う……っ」
「っていうか、その辰野さんって人も、かなりの優良物件なんでしょ?そんな優良物件に口説かれて、良い年してカマトトぶってる場合?」
呆れたように目を細めて。ようやく、枝豆の莢をお皿に置いたマキをそれ以上は見ることも出来ずに、私はテーブルの上に項垂れた。
確かに、マキの言う通り。
仕事を初めて早7年、最後に彼氏がいたのは……デザイン学校時代。
つまり、働いてからは一度も良い出会いがないということで、それというのも私が仕事漬けの日々を送っているからに他ならないのだ。
その間、彼氏がほしいと思わないでもなかったけど、実際いたらいたで面倒くさいなぁと思っていたのも事実。
本当に今更だけど、28歳おひとり様、色んな意味で不安しかない……



