「汚いなぁ……」
「な、何言ってんの……?可愛くて……って、そんなわけないし、そもそも不破さんと私は、ただの上司と部下だし」
「ハァ……。ハイハイ、それはもう聞き飽きたから。っていうか、蘭も、不破さんって上司も大概面倒くさいわ」
─── 金曜日の仕事終わり。
カフェの案件がスムーズに進んでいるのを良いことに、珍しく19時台にオフィスを出た私は、友達である “ マキ ” と駅前の居酒屋で久しぶりの再会をしていた。
マキは現在、印刷会社でデザイナーとして働いているデザイン学校時代からの同級生。
癒やし系かつ可愛い系の見た目とは裏腹に、ズバズバとあけすけな物言いをするギャップが売りの世渡り上手だ。
でも、私は、その裏表のない性格が大好きで。
卒業してからも、こうして定期的にお互いの暇を見付けて逢瀬を重ねていたりする。



