「─── あ、念の為にもう1回言っとくけど」



そんな私を置き去りに、くるり、と。ジャケットを翻して再びこちらに振り向いた不破さんは、真っ直ぐに私を指差して言う。



「似てるとか、もう二度と思うな、口にするな。大体にして、俺は─── 」

「……!!」



と。

突然、再度エレベーターの扉が閉じ、あっという間に不破さんの姿が見えなくなった。


挙句、降りそこねた私は、そのまま1階へと引き戻されて、─── チーン。



「さーて、会社に帰ったら仕事だ…………って、う、うわっ、何、日下部くん!?」

「しゃ……社長、お疲れ様です……」



到着した1階で、壁に背をつけたまま固まっている私を見て驚いた社長に、現実へと引き戻された。