イジワル上司に焦らされてます

 



思わず口を開けたまま。

呆然と不破さんを見れば、不破さんはそんな私を忌々しそうに横目で睨んだ。


な、なん……っ。なんで私が、そんな目で見られなきゃいけないの!?


あなたが急ぎの連絡があった、でもデータが見つからないって言うから、急いで戻ってきたのに!!


急ぎの件を対処してくれたのは感謝してもしきれないけど、見つからないデータが嘘ってどういう……!?


っていうか私、大切な打ち合わせの途中だったんですけど!!


大切な打ち合わせの途中で、辰野さんと話をしていて、それで…………それで。



「…………」

「お前さぁ、いつからそんな簡単になったわけ」

「は……はいっ!?」

「仕事中に、手とか握られてんなよ」

「……なっ、」

「ばーか」



ばか!?


吐き捨てるように投げられた、子供じみた言葉。


だけど、そんなことを気にしている間もなく不破さんに……アレを見られていたのだと思ったら、言いようのない羞恥心に襲われた。


企画書の上で、強く握られた手。

引き寄せられた視線。


というか。一体、どこから見られて───