そう言って、ハァ……と。再び深く溜め息を吐いた不破さんを前に、思わず首を傾げてしまった。
…………おかしいなぁ。
辰野さんと打ち合わせをしてたのは私だし、辰野さんは私の前でも携帯に電話が掛かってきたら席を外して電話に出ていたし、何度か会社の人が電話だと呼びにも来た。
電話を受けた人が、誰かと勘違いしたんだろうか。
考えながら私も鞄の中から携帯を取り出して見てみれば、確かに着信3件の表示が。
当たり前に全部、会社からの着信、イコール不破さんだ。
「えぇと……気付かなくてすみませんでした」
「本当に緊急連絡の時もあるんだから、気を付けろよ」
「はい、すみません……。それで、今日の急ぎの連絡は誰から…………」
不破さんの言葉に、なんとなく違和感を覚えながらも再び恐る恐る尋ねれば、エレベーター内のボタンの前に立つ不破さんは、チラリ、と視線だけをこちらへ寄越すと押し黙った。
「あの、不破さん……?」
「……もう終わった」
「……は?」
「急ぎの連絡は確かにあったけど、俺の方で対処できたし、見つからないデータに関しては真っ赤な嘘」
は…………はぁ!?



