「俺……かなり本気ですよ、日下部さんのこと」
今、目の前にいる辰野さんの目には、熱く甘い熱が浮かんでいて。
重ねられた手が、燃えるように熱い。
これは……辰野さんの作戦なの?
仕事をしていく上での、何かの駆け引きなんだろうか。
それとも、言葉の通り、本気で私を……?
……まさか。
その問いに、心の中で首を横に振って。未だに私に熱の篭った視線を送る辰野さんの目を真っ直ぐに見つめ返した。
「あ、あの、私…………」
こんなの、私らしくない。
震える唇、震える吐息。
どうしよう。どうすればいい……?
辰野さんは大切なクライアントで、大切な仕事相手だから失礼なことをするわけにはいかない。
だから…………



