「お前、朝からニヤけすぎ」 「─── !」 そうして、浮かれる心を連れながら自分のデスクに辿り着けば、不意に隣の席から低く甘い声を投げられて、反射的に視線は声のした方へと引き寄せられた。 「しかも、社長の話聞きながら、心の中でガッツポーズしたろ?」 そこには今日も相変わらずの……私の上司。 苦い煙草の香りを身に纏い、自身のPCから視線を外すことなく私を視る(みる)、不破(ふわ)さんがいて、思わず眉間にシワが寄った。