「あ……あの……」
「俺……こんなんじゃないんですけど……っていうと、言い訳みたいですよね」
「……っ」
言いながら、口元を片手の平で押さえた辰野さんは、私から逃げるように顔を逸らした。
取り残されてしまった私は今度こそ身動きが取れなくなって、企画書に乗せたままの手が震えないようにと必死だ。
な、なに、コレ…………
ドキドキと、早鐘を打つように心臓が高鳴って、静寂に包まれたこの場所では、それが聞こえてしまうんじゃないかと冷や冷やする。
「あー……俺、マジでカッコ悪……」
カッコ悪い、なんて。
いつも冷静で、常に余裕を連れて歩いているような人がそんなことを言うから……もう、どうしたらいいのかわからない。



