「じゃあ、次の機会にでも挨拶できるように手配しますね」
そう言うと、とても柔らかな笑顔を浮かべた辰野さん。
とりあえず、今のところは驚くほど順調に話が進んでる。
通常業務に支障も出ていないし、このままでいけば意外にもすんなりとこの仕事は終わりそうだ。
と、言っても、まだまだここから作らなきゃいけないものは山程あるし、私がこうやってカフェの仕事に集中できるのも、サポートしてくれているデザインチームの皆さんのお陰なのだけれど。
「僕も話を聞いてから色んなカフェに足を運んでみて、驚きました。ソイメニューって本当に女性に人気なんですね」
手元の企画書を閉じながら、辰野さんが感心したように言う。
「はい。女性って、ちょっとでもカロリーの少ないものを、とか、気持ちだけでも健康に……みたいな思いがあるので、そういう部分では豆乳ってすごく便利なんですよ」
「日下部さんが仰るとおり、社内でも女性社員に聞きまわったら、女性ターゲットで豆乳メニューは欠かせないだろうとか、ミルクを豆乳にチェンジできないのは有り得ないって意見が多くて驚きました」
「そうなんですね。じゃあ、そういう意見も後押しになった感じですか?」
「はい。でも、男性陣はミルクを豆乳にわざわざ変える意味がわからないって首をひねるばかりだったんですけど……」
男性の中でも、自分の健康にとても気を遣う人はいるだろう。
だけどそれは、女性のソレとは圧倒的に人数に差があるとも思う。
現に、assortという小さなオフィスの中でもそうだった。



