「カフェのオープンはカジタビルのリニューアルオープンと同じ半年後。つまり、それまでに全てを間に合わせないといけないから、スケジュール的には結構ギリギリかもしれないけど……大丈夫?」


「大丈夫も何も、やります、やらせてください」


「そう。じゃあ、この話は日下部くんに任せるよ。もちろん通常業務もあるだろうし、その辺りはデザインチームで話し合って無理のないように」


「はい!ありがとうございます!」



言葉と同時、まさに元気よく頭を下げれば「頑張って」という社長の激励が旋毛(つむじ)に落ちた。


月曜日から、幸先の良いスタートだ。


社長から手渡された資料を両手で握り締めて廻れ右をすれば、ふわり、風に靡くスカート。


ヒールを響かせデスクに向かう途中、ダメだとわかっていても、私はつい緩む頬を堪えきれなかった。