言いながら、私に向けて企画書を差し出した不破さんは、楽しそうに喉を鳴らして笑った。


それをぼんやりと見つめていれば、未だにこちらを見ていたらしいカニさんとサルさんが視界の端に薄く映る。



「ああ、それと」



そして、同じく2人の視線に気付いた不破さんは、頬杖をついてから再びゆっくりと口を開いた。



「2人とも。心配しなくても、大丈夫ですよ。俺たちの可愛い可愛い日下部は、辰野さんなんかに盗られませんから」


「お、前はまた……何を、根拠に…………」



突然の、その言葉に。

戸惑いの色を滲ませたカニさんを見て、今度はギィ、と鈍い音を響かせながら背もたれへと身体を預けた不破さんは口角を上げる。