けれど、ようやくデスクに戻って腰を下ろしたところで思いもよらない言葉を投げられて、思わずギクリと肩が揺れた。
……いや、うん。
アレは辰野さんのリップサービスに違いないし、完全に真に受けてもいないけど、十分に動揺してしまったのも嘘じゃない。
だって……だってさ?
言い訳みたいだけどサルさんの言う通り、非の打ち所のないイケメンに突然豪速球を投げられて、まるで気にしていません、大丈夫ですなんて、それこそ白々しいにも程がある。
それに……ちょっと、久しぶりだったし。
ここ数年は仕事ばかりで、あんなにもイイ男からあけすけに口説かれたのは久々で……動揺しちゃうのも、仕方ないよね?
「不破ぁ、可愛い可愛い部下が、半年後にはカジタのエースに盗られちゃってるかもよ?」
「な……っ、カ、カニさん、やめてください、そんな根の葉もない話……!」
しかも、寄りにもよって不破さんに……!
絶対、からかわれるに決まってるのに!
「えー。根の葉もなくないっしょ。現に、日下部ちゃんたら必死になって否定してー。これは既に、軽くジョブを入れられてきたな?」
「まぁ、あの人、行動速そうだもんねぇ。仕事もめちゃくちゃ速いけど、そこも仕事と一緒で狙った獲物は絶対に逃さなそうだし」
「そ、そんな、こと…………っ」



