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「チェーン店展開かぁ、流石、梶田社長……というべきか、辰野さんというべきか」
覚束ない足取りでオフィスに戻り、受け取った企画書を広げながら一通りのことを話せば、カニさんが感心したように唸った。
「ってことは、WEBサイトも必要になってくるね。そこのところも平行して進められるように、辰野さんと連絡取ればいいかな。そのやり取りは、日下部さん挟まないで俺が直でやっちゃっていい?」
「あ……ありがとうございます、その方が助かります。基本的にWEBに関してはサルさんと辰野さんの間に私が入らない方がスムーズだと思いますし……えと、デザインのチェックだけさせて頂ければ」
「うん、それはもちろん。ディレクターは日下部さんだから、そこは無視して進めないよ」
「ありがとうございます……」
人懐っこいサルさんの笑顔を見たら、なんとなくホッとして、やっぱり、このオフィスが一番落ち着くなぁ……なんて、情けないことを思ってしまう。
「でも……辰野さんが出てきたなら、日下部ちゃん、別の意味でも警戒しないとなぁ。あの人、仕事と同じでそっちもやり手っぽいし?」
「……っ!」
「確かに……あの見た目で仕事もデキるとか、女性からしたら堪らないだろうねぇ」



