「……なんだよ」
「ま、待ってください!」
「無理だろ。お前、どれだけ俺に我慢させる気だ」
「どれだけって……」
「7年。待ちくたびれたにも、程がある」
思いもよらない言葉に目を丸くすれば、相変わらず真っ直ぐに私を見下ろす不破さんの視線に射抜かれた。
─── 7年。それは私と不破さんが上司と部下として過ごしてきた時間で、まさかその間、彼が私を想ってくれていただなんて思うはずもない。
「な……なんで、その間、何もなかったんですか」
「お前のせいだろ」
「私の……?」
「お前が真っ直ぐ過ぎたせいで、俺はお前に手を出せなかった。だけどもう、我慢する必要もない。だから蘭、今日は寝れると思うなよ?」
そっと、唇に触れた指先。そこから伝わる熱に浮かされながら彼を見上げれば、愛おしそうに私を見る彼がいて、心の中が甘く色付いた。



