「悪かった。俺も、言う機会を逃した。お前のこと、好きだよ」
「そ、そんなアッサリ……。何より、今言うなんて……ズルいです……っ」
「もう、お前のことに関してはズルくてもなんでもいい。……なぁ、それ、早く食べ終わってくんない? お前が可愛過ぎるから、俺はもう、今すぐにでも上の部屋に行きたいんだけど」
その言葉の意味を理解するには、数秒の間が必要だった。
理解した途端、沸騰したように熱を持つ身体。
そんな私を見てやっぱり意地悪に笑った彼は、手元のフォークでお皿の上に残っていたチーズケーキを掬うと、急かすように私の口へと運んだ。
* * *
「あ、あの、不破さん……っ」
「お前さぁ、なんでそんな緊張してんの」
ここに来るまで一言も話せずにいた私は今、視界いっぱいに広がる夜景を堪能する間もなくベッドの上へと押し倒されていた。
ようやく彼の名前を呼べば呆れたように笑われて、やっぱり温度の違いにほんの少しの不満を感じてしまう。
「あ、改めて気持ちを確認し合った途端、これですか……?」
「気持ちを確認し合ったからこそ、これなんだろ」
「でも……まさか本当に、部屋までとってあるとは思いませんでした」
「ホテル行くって言ったろ。俺は嘘なんて吐いてねぇよ」
いつの間にか着ていたジャケットを脱ぎ捨てた彼。ご丁寧に私の着ているワンピースのファスナーまで下ろそうとするから、慌ててその手を掴んで止める。



