……何より、出だしから失敗したくないしね。
心の中で独りごちながら、チラリ、と不破さんの顔色を伺った。
視線の先、私を見る不破さんは相変わらず眉根を寄せていて、なんとなく返事を返しづらい。
「え、と……私は、まだやる事があるので……終電には間に合うように帰りますし、お気遣いなく!」
だけど、言いながら笑顔を見せれば、「ハァ……」と見せつけるように溜め息を零した不破さんは、脱力したように自身のデスクに腰を降ろした。
その様子をキョトンとして見つめれば、頬杖をついた不破さんに今度は横目で睨まれる。
「……営業の宇佐美さんから、メール入ってた。今朝の電話の件で、急にデータが必要になったから、出来れば明日の朝イチで修正くれって」
「えっ、嘘……!」
その、思いもよらない言葉に慌ててPCへと視線を戻した。
急いで共有のメールボックスをチェックすれば、確かに宇佐美さんからのメールが2時間前に届いていて思わず顔が青褪める。
2時間前、ってことは、メール自体を見落としていたんだ。
修正内容は、ザッと見た感じ大したことないけど、明日の朝イチってことは今日中にやっておかないと……



