* * *
「ん〜〜〜……」
気が付けば、今日も時刻は22時を廻ろうとしていた。
パソコンの起動音だけが響くオフィスで大きく伸びをすると、つい欠伸が漏れそうになる。
今日中に終えなきゃいけない仕事は一通り終わらせて、デスクの上に開いたのはシンプルさが売りのリングノート。
そこに書き殴るのは、今朝社長から渡されたカフェ案件についての考察だ。
……女性向けの、カフェ、か。
考えてみたら、それらしいカフェはこの辺りには山ほどあるし、結構切り口を見つけるのが難しい。
「……おい、日下部」
「─── !」
「今日も、まだ帰らないのか」



