「辰野さん、申し訳ありません……。先程も少しお話したとおり、今日はカフェの件で早急に謝りたいことがあって来ました」
そこまで言うともう一度息を吐き、辰野さんを真っ直ぐに見つめた。
「前回の打ち合わせで辰野さんに提示させて頂いたカフェのネームとロゴ案なのですが、弊社と私の方で確認したところ、既にネームが他社企業に商標登録されていて使用不可能でした」
言い切って、私はテーブルの下で強く拳を握った。
改めて口にすれば、本当に情けない失態だ。私が確認を怠ったことで起きたイージーミス。
「本当に、申し訳ありません。こちらから一度提示させて頂いたものではあるのですが、ネームとロゴ案に関しては白紙に戻させてください」
「……なるほど。では、ネームとロゴに関しては、一から仕切り直しということですか」
「はい。辰野さんの方で、既に上に話を通してしまっていたら申し訳ありません……。私のせいで、辰野さんにも、たくさんご迷惑をお掛けしてしまって……」
段々と小さくなった語尾。私は再び視線を下へと落とすと、唇を噛み締めた。
申し訳ないなんて、どれだけ伝えても足りないけれど。
今の私にはそれ以外、言えることがないのだ。
だから、このあと辰野さんに何を言われようとも全て真摯に受け止めなければいけない。
何を言われても、全ては自分の責任なのだから。



