イジワル上司に焦らされてます

 


「フ、フライパンの油汚れ……フライパンの油汚れって……」


「なかなか、新しい切り返しだなぁ!」



……本当に、月曜の朝から賑やかな人たちだ。


私がデザイナーとして勤めるデザインオフィスには、正社員として働くデザイナーが私を含めて4人いる。


上からカニさん、サルさん、不破さん、そして一番下っ端の私。


それ以外にも経理と総務を担う人が数名と、日替わりで来てくれるパートさんが数名。


加えて営業全般をこなす社長、というメンバーで構成された、決して大きくはないアットホームなデザインオフィス。


その中でも、私がいるデザインチームはただのデザイナー集団ではなく、企画立案から携わるアートディレクター兼デザイナーという職務をそれぞれが担ってる。


アートディレクターとは、例えるなら野球の監督みたいなもので。ある一つの試合、つまり一つの業務の総監督をするのが役目。


そして、デザイナーはそれで言えばチームの選手。監督の言うように動いて、それぞれがやるべきことを遂行する。


つまり、アートディレクター兼デザイナーとは監督兼選手のことで、自分が企画したものを、自分で実際に作業をしながら作り上げていく、二足のわらじを履いた職務だ。