「蘭……」
「……不破、さん」
クラクラする。
再びほんの少しだけ離された唇に、掠れたような色気たっぷりの声で名前を呼ばれた瞬間、「もっと」と強請ってしまいたくなった。
綺麗な顔を見上げて、甘い息を吐く。
不破さんは先ほど私に、このキスの理由がお前にはわからないのかと尋ねた。
わからない。わからなかったから、私が不破さんに尋ねたのに。
質問を質問で返すなんて、やっぱり、不破さんはイジワルだ。
「……結局、ご褒美、増えたな?」
緩く口角を上げた彼を前に、高鳴る鼓動。
……ねぇ、不破さん。もしもこのキスに理由があるとしたのなら。
これが、ただの気まぐれでも、悪い冗談でもないとしたのなら、私は。
不破さんが、私を欲しいと思ってくれているなんて、そんな風に思っていいんですか?
私のこと、女として愛してくれているなんて、私の都合の良い解釈ですか。



