「営業の宇佐美さんから電話があったけど、急ぎではないからまた後で電話するって言ってた、ってことです」
不破さんが、デスクに頬杖をつきながら応える。
「それでなんで、ダラケたウサギの絵?」
「……宇佐美とウサギをかけて、ついでに急ぎじゃないからそのウサギがダラケてるんです。更にポストイットが貼られてたのが受話器だったから、電話関係の伝言ってことで」
……と。そこまで言って、「しまった」と思ったけれど、後の祭りだった。
チラリと視線を隣に移せば、予想通り、私を見て面白そうに口角を上げる不破さんがいて、慌てて視線を逸らして前を向く。
「なんだよ、結局わかってんじゃん」
「……しぶしぶ、わかってあげたんです」
そう言えば、「ホント、お前って意地っ張りだよな」なんて笑われて、今度こそ逃げ道を失った。
そんな風に、イジワルに笑う笑顔が一番カッコイイから嫌になる。
本当に……いつか絶対、ギャフンと言わせてやりたい私の上司。
「あはは、相変わらず無駄に息が合ってるよね、不破くんと日下部さん。でも、その伝言ゲーム、俺たちにはわからないから止めてねー」
「そうそう、それがわかるの、日下部ちゃんだけだから」



