イジワル上司に焦らされてます

 



「お前の言いたいこと、ちゃんとわかってるから」



言葉も無くして呆然と不破さんを見上げていれば、ゆっくりと撫でられた髪。


不破さんの長い指がまるで愛おしむように触れるから、たったそれだけのことでも胸がドキドキと高鳴って仕方ない。



「とりあえず、孤独死はしないから安心しとけ」



その、意味深な言葉に……

今度こそ顔が火照っていき、私は慌てて一歩後ろへと足を引くと、不破さんの身体から離れた。



「な、なんで不破さんが、そんなことわかるんですか……!?」

「言っただろ、お前のことなら自分でも嫌になるくらいには、わかるって」



真っ直ぐに向けられた瞳。

こういう時は、いつも、私をからかうくせに。


酷く真剣な面持ちで私を見つめる不破さんを前に、私の身体はわかりやすく熱を持った。


いつもの、不破さんじゃない。

不破さんだけど、こんな表情(かお)……私は、知らない。