イジワル上司に焦らされてます

 


「……だから、飲み過ぎだって言ったろ」

「不破、さん……」



力強く掴まれた、二の腕。

抱き寄せられるように身体を引かれて、見上げれば、吐息と吐息のぶつかる距離に、不破さんの整い過ぎた顔があった。



「お前……睫毛、長いな」

「ふ、不破さん、こそ……」

「それ、男が言われても嬉しくねぇよ。っていうか、お前、どんだけ飲んだんだよ……」



「ハァ……」と、再び溜め息を吐かれて、今度こそ胸がチクリと痛む。


どんだけ飲んだんだ、って。

一体、誰のせいで飲まなきゃやってられなくなったと思ってるんですか。

誰のせいで、こんなにドキドキしてると思ってるの?


もちろん、これは八つ当たり。

完全に、ただの八つ当たりですけど、でも私は……。