イジワル上司に焦らされてます

 



「サンキュ、助かった」

「別に……通常業務をこなしただけです」



先程から、うるさいくらいに高鳴る鼓動。

不破さんからの " ありがとう " に、わかりやすく嬉しさが込み上げて、それがバレないように、私はデスクの中の財布を掴むと鞄の中に押し込んだ。


……今日は、本当に飲み過ぎた。

早く家に帰って、お昼までグッスリ寝よう。だって明日は土曜日だ。



「それじゃあ、お疲れ様でした─── っ!?」



と。

踵を返した瞬間、視界がグラリと大きく揺れた。

一瞬、全身から力が抜けて……

ああ、これ転ぶ……と思ったと同時に、身体が熱い何かとぶつかる。