イジワル上司に焦らされてます

 


「言っとくけど、お前のデスクの中なんか見てないからな」

「ストーカーですね、完全に」

「おい、ふざけんな」

「あ、それと。不破さんが気になってたらしい案件、やっておきましたから。月曜日に入稿です」

「……ああ、今見た」



その言葉を合図に、光の消えたPC画面。

廻っていたPCのファンが止まり、オフィスの中は今度こそ完全なる静寂に包まれた。


……今は酔っ払いだけど、昼間は不破さんの部下としての仕事を全うしていたんですから。


心の中でそう呟いて、不破さんの綺麗な横顔を眺めた。


もし……今、何かが聞こえるとしたら、それはお互いの呼吸の音か心臓の音か。


まさか、そんなものが聞こえるはずもないからこれはきっと、私の勘違いなんだろう。