「意味わかるんだから、いいだろーが」
「良くないです、全然わからないし」
「嘘吐け、わかるだろ、お前なら」
「わからないです全然、まったく、サッパリ」
「じゃあ、何で焦った様子もなく座るんだよ」
「……それは、足が疲れて座りたいからです」
「……ふぅん。へぇ?」
心の中で悪態をつきながら、私を見て笑う不破さんを無視してPCの電源を入れた。
右手でクシャリと丸めたポストイットは、そのまま引き出しの中へと放り込む。
……わかるわけ、ないでしょ。
腹立たしい、ダラケた落描きウサギに込められた意味なんて。
─── " 宇佐美(うさみ)さんから電話があったけど、急ぎではないからまた後で電話するって " 。
心の中でポストイットに書かれた絵の真意を反復すれば、零れる溜め息。
……全部、わかってしまう自分に腹が立つ。
そして何より、そういう私をわかっている隣の上司に、今日も最高に腹が立つ。



