「気になる案件があったから、一回家に帰って荷物置いてから来たんだよ。電車は終電気にしないとならなくて面倒だし、車で」
「あ…………なるほど」
「で?」
「え?」
「なんでお前は今、出勤してきたわけ?」
「……え?」
「っていうかお前……すげぇ、酒臭くねぇ?」
「……っ」
その言葉に、思わず顔が熱を持った。
出張終わりで疲れているはずなのに、気になる案件があったからと、わざわざ会社に来たらしい不破さんと……完全に飲んだくれて、財布を忘れて取りに戻ってきた酔っ払いの私。
状況としては、デキる上司のダメな部下、だ。
「お前さ……酒弱いくせに、あんま飲み過ぎんなよ」
「…………すみません」
謝罪の言葉が素直に口から零れたのは、無性に罪悪感に駆られたから。
お疲れのところ、アルコール臭漂わせてオフィスに登場して、すみません……
本当に、どこまでバカなの私は……
これじゃあ、不破さんにバカだと言われても、なんの反論もできないよ。



