ベタ恋!〜恋の王道、ご教授願います〜

桐島課長と一緒にまた古本市に戻り、いろんな本を巡りながら話をした。

わたしが小学生のときに読んだ本だったり、ウチのお母さん、お父さんが気に入って読んでいた本だったり、桐島課長も自分が学生時代のときに好きだった本が並んでいるとすかさずわたしに教えてくれたりした。

最初に買いにいった月星書房ではなく、別のブースに幻の本ではないが、別の二階堂重彦氏の初版本があったので桐島課長は宝物を発見したように目を輝かせながらその本を購入していた。

「少し休憩しようか」

桐島課長の提案から、駅前広場の近くにある喫茶店へ入る。

ここはコーヒーもおいしいけれど、特に紅茶は茶葉を厳選して扱っているので紅茶愛好家にはたまらない喫茶店だ。

「素敵なお店だな。星野くんはけっこう、ここにくるの?」

「ええ、友達と一緒に」

「友達か。星野くんのことだから男友達とかかな?」

「そ、そうじゃないです。学生時代からの女の友達ですって」

わたしがストレートティーを頼むと、桐島課長はミルクティーを頼んだ。

「こうみえてコーヒーが苦手なんだ」

と桐島課長は照れくさそうにしている。

いつものあの厳しそうなカタブツ課長とは一線を画すくらいのおちゃめなしぐさにやっぱりわたしはときめいてしまう。

お茶がくる間、ちょっと読んでいいかな、と桐島課長はさっき買った本を取り出し、本を読み始めていた。

真剣な表情は会社のときでもみせるけれど、プライベートな時間にこういう姿をみれるのはなんだか特別な気持ちにさせてくれる。

桐島課長の本を読んでいる姿を眺めていると、女性の店員さんがお茶を持ってきてくれた。

わたしのほうにミルクティーを置きそうになったので、読んでいた桐島課長が本を置いて、ミルクティーは僕ですと恥ずかしそうに話す。

ストレートティーを提供してもらい、わたしが口をつけると、桐島課長も照れながらミルクティーに口をつけていた。