ベタ恋!〜恋の王道、ご教授願います〜

牧田先輩から頼まれたマニュアルに使う資料を取りにいこうと席を立つ。

総務課の奥にある棚から書庫の鍵を借りて課のドアを開ける前に書庫へいってきますとみんなに声をかけて書庫へと向かう。

書庫は会議室の隣の比較的人の少ない場所に設置されていた。

書庫に入り、棚から前回の資料を取り出し、調べ物をしていたとき、いきなりドアが開いて桐島課長が入ってきた。

一人しかいないこの書庫だったので突然の訪問にびっくりしてしまった。

「えっと、あの、君は……」

「星野です」

「あ、君……じゃなかった星野くん、ちょっといいかな?」

「はい」

「いろいろ教えてほしいんだけど」

「えっ。教えるもなにも、詳しいのは牧田さんという女性で」

「君にお願いしたいんだよ。星野くん」

「わ、わたしですか?」

わたしよりもかなり背が高く、端正ある顔立ちが迫ってきているようでどうしたものかと焦る。

「な、なにをでしょう?」

桐島課長はじっとわたしの顔を見下ろし、ごくんとつばを飲み込んだ。