ベタ恋!〜恋の王道、ご教授願います〜

ライブの開演時間になってきたのか、さっきまで往来していたライブのお客らしい人の数が減っていた。

私鉄電車に乗り、終点までの時間、揺られながら路上販売をしていた女性とのことを思い返していた。

さっきまで気持ちがあんなに落ち込んで雨模様だったのがすっかり晴れた。

それは出会った絵のおかげだ。

駅から足取りもかろやかに自宅に戻り、さっそく茶色の封筒の中身を出した。

色紙にはパステル調に描かれたかわいらしい男女が微笑む色紙で裏には表紙のイラストを担当していた名前のMIKIKOのサインが入っていた。

もう一枚ポストカードが入っていた。ベージュのハガキには黒猫の絵が描かれている。

ハガキを裏返す。

「月星書房?」

月星書房と黒文字で描かれ、そのしたには古本市に出店する日時が記載されていた。

もしかして二階堂重彦の本に出会えたりして。

そんな簡単に出会える代物じゃないってわかっているけれど、微笑ましい色紙の絵をみて出会えるんじゃないか、という期待が高まる。

占い師のような格好をした女性から何かを導いてくれたことに感謝して、残りすくない休日を机のうえに飾った色紙とともに部屋で過ごした。