ベタ恋!〜恋の王道、ご教授願います〜

「改めて読むと、女性のほうは、けっこう気持ちを抑えていたんだなってよくわかるよ。男性側の気持ちも痛いぐらいによくわかる」

「……そ、そうだよね」

最後に二階堂さんがいったサポートっていうのはこういうことだったのか、と納得する。

「この本の続きがあるとしたら、次は結婚の話になるのかな」

「結婚かあ。この先の話、どういう展開になるんだろう」

「近い将来の話だから、きっと予定調和になるだろうね。それまでに二人だけの未来の物語を作っていこう」

「うん」

「過去の物語よりも今これから。物語をもっと面白くするためにも、ずっとそばにいて、幸せにするよ」

二階堂さんへメールを送ってみても、宛先が不明で帰ってきてしまった。

仕事の帰りに二階堂さんにお礼を言おうと月星書房のある建物へと向かう。

明かりは灯されておらず、人気がなく、入口には『入居者募集』の看板が立てかけてあった。

もう二度とお世話になることはないけれど、どこかの街でわたしのような恋愛に未熟な女性を救っているんだろうな。

恋愛マニュアルも恋愛コンシェルジュマスターもいない、わからないことだらけで向き合っていくけど、総一郎さんが愛してくれているという自覚から自信へと導いてくれている。

わたしのココロの中の本にも総一郎さんのココロの本にもずっと続いていく。

二人だけの幸せの一つだけの物語を紡いでいくことを誓って。

(了)