ベタ恋!〜恋の王道、ご教授願います〜

何度も互いを求め、果ててしまっても、傍には桐島課長が手を握ってくれてベッドで二人、横たわった。

「こんなこと、またいろいろ教えたあとに言うのもなんだけど」

桐島課長は顔を赤らめている。

「正式に結婚を前提におつきあいしてもらえないかな」

結婚。

幸せになる未来の扉がみえてきた気がした。

「……はい。わたしでよければ」

「また、ちゃんとしたところでプロポーズもしたいから」

「うれしいです」

「俺もだよ」

あんなに体のあちこちにたくさんキスをくれたのに誓いのキスとしてかわしたのは、とびきり優しく特別な感情がこもった大切なキスだった。

「まずはちゃんと呼び合わないとな。星野くん、じゃなかった奈々実だった」

「わたしも課長じゃなくて、総一郎さんて呼びます。もちろん会社の外でですけど」

うかつに呼んでたら染谷くんにいじられそうだからな、と桐島課長は笑って話した。

「これから会社で顔を合わせても自然にいられるか不安だ」

「でもお互い好きなんだし」

「素直になれるって幸せなことだね」

「それって、もしかして本のセリフ、ですか?」

「そんなの、載ってたっけ?」

「そんなフレーズあったような気がしただけですよ」

二人でホテルのチェックアウトを済ませ、ホテルから外へ出る。

ホテルから駅までの道を歩くと、すでに日は高く、熱を含んだ風がわたしと桐島課長の間を抜ける。

「総一郎さん」

「奈々実」

互いの呼び方を確認するだなんて学生ぽくて他の人からみたら呆れてしまうだろうけれど、デートで来る前と後では好きなひとから愛するひとへとレベルがあがったんだなと実感がわいた。