「今日のデートだけど、俺が勝手に決めちゃってよかったかな?」
「はい、大丈夫ですよ。こういうの、馴れてないんで」
「俺もなんだけどな」
といって二人、顔を見合わせて笑った。
「あのさ、星野くんはこのあたりで図書館って知らないか」
「だったら駅前にありますよ」
「ちょっと寄ってもいいかな?」
「はい」
駅の出口へと差し掛かったとき、団体で固まっていた旅行客にぶつかりそうになる。
すると、桐島課長がすぐに手を握って一緒に歩いてくれた。
こんなに大きな手に包み込まれることはなかったから、桐島課長の熱を直接感じることができた。
駅前の公共施設が集まるビルの二階が図書館になっていた。
桐島課長は目を輝かせながら、入り口にあったフロアマップから小説の棚を割り出し、わたしの手を引いて向かう。
棚の間ごとに2、3人のひとが背表紙を見ながらお目当ての本を探していた。
小説コーナーの『に』のコーナーへ向かう。
桐島課長の目線の先には『二階堂重彦』の著作した本が並んでいる。
「やっぱり置いてなかったか」
桐島課長は小声でわたしに耳打ちした。
「何を探していたんですか?」
「『苦い恋の始め方』」
「あ、あの本ですか。だってもう読んだじゃないですか」
「やっぱりないんだなって。あの本のおかげで星野くんに巡り会えた。本を探して恋人を探し当てるだなんて」
確かにあの本のおかげで桐島課長とわたしを結びつけてくれた縁のある本だった。
桐島課長は二階堂重彦のさまざまな本を手に取り、嬉しそうにページをめくっていた。
「はい、大丈夫ですよ。こういうの、馴れてないんで」
「俺もなんだけどな」
といって二人、顔を見合わせて笑った。
「あのさ、星野くんはこのあたりで図書館って知らないか」
「だったら駅前にありますよ」
「ちょっと寄ってもいいかな?」
「はい」
駅の出口へと差し掛かったとき、団体で固まっていた旅行客にぶつかりそうになる。
すると、桐島課長がすぐに手を握って一緒に歩いてくれた。
こんなに大きな手に包み込まれることはなかったから、桐島課長の熱を直接感じることができた。
駅前の公共施設が集まるビルの二階が図書館になっていた。
桐島課長は目を輝かせながら、入り口にあったフロアマップから小説の棚を割り出し、わたしの手を引いて向かう。
棚の間ごとに2、3人のひとが背表紙を見ながらお目当ての本を探していた。
小説コーナーの『に』のコーナーへ向かう。
桐島課長の目線の先には『二階堂重彦』の著作した本が並んでいる。
「やっぱり置いてなかったか」
桐島課長は小声でわたしに耳打ちした。
「何を探していたんですか?」
「『苦い恋の始め方』」
「あ、あの本ですか。だってもう読んだじゃないですか」
「やっぱりないんだなって。あの本のおかげで星野くんに巡り会えた。本を探して恋人を探し当てるだなんて」
確かにあの本のおかげで桐島課長とわたしを結びつけてくれた縁のある本だった。
桐島課長は二階堂重彦のさまざまな本を手に取り、嬉しそうにページをめくっていた。

