ベタ恋!〜恋の王道、ご教授願います〜

明日菜はスマホの画面を写真に切り替えてみせてもらった。

明日菜は別の友達と遊んだときにちょうど雅さんも来ていたそうで、結婚の報告を受けたそうだ。

明日菜と二人並んで撮られた雅さんはメガネはやめてきれいにお化粧をして、髪の毛も少し茶色に染めて胸のあたりまでゆるくパーマをあてている。

洋服もシンプルだけできれいに着こなされていた。

大学時代の雅さんはどこかに消え、目の前に映る雅さんはきれいなお姉さんと化している。

「こんなに変わるもんなの?」

驚きを隠せないまま、明日菜へスマホを返す。

明日菜もわたしの動揺した顔をみて、ふっと軽く笑った。

「恋愛したら変わるんじゃないの」

「もしかして例の恋愛マスターが仕掛けたりして」

恋愛マスターという言葉に明日菜は吹き出した。

「まだ信じてるの? そんなの妄想な話」

「だって、雅さん、こんなに変わるとは思わないし、それに結婚だなんて」

わたしには結婚の文字すらも遠い異国の響きに似ている。

変わっていった同級生が結婚の波に乗ってもっと自分よりも遠くの世界へと移動していくことに驚きと焦りを感じた。

「まあね、こんなに化けるとはみんな思ってもみなかったもんね。ひとは見かけによらないって。奈々実もいつか恋愛できるようになったら変わるかもしれないって」

そういうものなんだろうか。

恋愛できないとわたしは変われないのか。