ベタ恋!〜恋の王道、ご教授願います〜

また書庫で桐島課長と二人きりになる。

流されるように告白までいったけれど、これでよかったのかな、と不安になる。

顔をあげ、桐島課長をみると、逆に桐島課長がわたしの顔をのぞきこむ。

「あ、あの、よかったんですか?」

「よかったってどういうこと?」

「牧田先輩のこと、好きじゃなかったんですか?」

「好き? 向こうはどうかわからないが、俺は最初から興味持ってないよ。あいつがしつこくくっついてきているからさ、同期の情でつきあってただけ」

そういって桐島課長はわたしの頭を軽く撫でてくれた。

「それにやすやすと嫌いな子にキスなんかしないし」

甘くやさしい言葉にきゅんと胸が震えた。

「星野くんにずっと嘘ついていたし」

「嘘ですか?」

「キスしたこと覚えてないなんて嘘。酔ったふりしてキスさせてもらいました」

そう照れ臭そうにいいながら桐島課長は笑っている。

確信犯だったなんてずるいな、と思ったけれど、今はそんなことも許してしまう。

「桐島課長……」

「ゆっくり恋を育てるつもりでいたんだが、予想外の敵が現れちゃったからな」

「二階堂さん、ですか?」

桐島課長は恥ずかしそうに頭を縦に一回振った。

確かに二階堂さんと話をしていたとき、いつもより怖そうな顔をしていたっけ。

「もしかして大崎かと思ってた。あんなに楽しそうに話してるんだから」

桐島課長、嫉妬していたなんて知らなかった。

「こんなところでいうのもなんだけど、星野くんが好きだよ」

「桐島課長……」

「出会ったときからずっと」

「嬉しいです。わたしも同じでした」

「俺も嬉しいよ。好きだっていった女の子はみんな俺のことをみて、顔を歪ませてた。星野くんは違ってた」

「……わたしも、です」

「そうなの?」

「好きっていったら壊れてしまいそうで。でも、いやそうな顔、してましたよ」

「ごめん。俺のほうから好きって最初に言いたかったんだ」

ぐいっとまた肩を抱き寄せた。