ベタ恋!〜恋の王道、ご教授願います〜

唇がはれるんじゃないかなと思うぐらい、ずっとキスをされたような気がする。

以前桐島課長が酔った勢いでキスしたときより比べて高ぶる気持ちを抑えきれていないキスだった。

気が済んだのか、ようやく唇が離され、桐島課長の体からも解放された。

書棚に体を持たれながら、はあ、と一呼吸おいて、桐島課長はおでこに手を当てている。

「こんなところでキス、するんじゃなかった」

「……桐島課長」

わたしはテーブルから体を起こし、乱れた制服を直した。

「ごめん。自分の気持ち優先だった。公私混同しすぎちゃ会社にも星野くんにも負担がかかる」

「わ、わたしは桐島課長のことが」

言った瞬間だった。

桐島課長は口元を歪ませた。

そうだ。わたしは告白するたびに相手を困らせる。

だからそんな顔みたくなかったのに。

「……それ以上言わないでくれ」

桐島課長は重い口調で話す。

キスと想いは違うっていうの?

じゃあさっきの情熱的なキスは一体何?

「どういうことですか」

桐島課長がそれは、と続きを言おうとしたとき、コンコン、と扉を叩く音がした。

乱れた髪の毛を手ぐしでさっととかす。

しぶしぶ桐島課長が内鍵を解除し、扉を開けた。

「桐島。どうしてここに」

いつも総務で聞く声が書庫に響く。

牧田先輩の声だった。