ベタ恋!〜恋の王道、ご教授願います〜

牧田先輩の告白をきいてから、牧田先輩が桐島課長を好きであるというオーラが出ているようでマニュアルの直しの確認を牧田先輩にお願いしたときもどこかすっきりした余裕のある表情にわたしの桐島課長に対する好きという気持ちが負けそうになる。

これ以上牧田先輩が桐島課長と接していったとしたら、そのまま付き合ってしまうんじゃないか、と不安になった。

接点がなくなったわけじゃない。

昼休みだって非常階段であっている。

でも小説のことを口にするぐらいであまりプライベートなことを話せない。

桐島課長と部屋が隣同士だけど、ガツガツと乗り込んでいけるわけはないし。

小説を介して喫茶店にいったことが懐かしく思えてしまう。

仕事が終わってすぐに月彦さんにメールをする。

月彦さん似のひとが会社に入ってきたこと、牧田先輩が桐島課長を好きだという告白をきかされたことを。

夜になって夕飯を食べようとしていたとき、月彦さんからメールが届く。

今から電話してもいいか、と。

もちろんOKを出し、すぐに月彦さんから電話がかかってきた。

「えらいことになりましたね」

「本当にびっくりです」

「先輩の牧田さんの動向が気になりますね」

「わたしは今後どうしていったらいいんでしょうか」

「今はアクションを起こさず、ただじっと時が流れるのを待ちましょう」

「でも、そうしたら桐島課長と牧田先輩が」

「焦りは禁物ですよ。もし相手が星野さんのことを好きでいてくれているのなら、今度は向こうからアプローチしてくるはずです。こういう複雑な状況になればなるほど」

「そういうものでしょうか」

「まずは牧田さんの動きをにらんでください」

「……わかりました」

特効薬になる話ではなかったので、腑に落ちないまま電話を切った。