ベタ恋!〜恋の王道、ご教授願います〜

わたしが席につこうとしていたとき、

「星野くん、ちょっといいかな?」

桐島課長が声をかけてきた。

牧田先輩の告白後にどういう顔をしていいやら迷っていたけれど、ここは職場なんだし、会社員として普段通りに接すればいいだけの話だけど、やっぱり頭の中が混乱する。

「え、あ、ど、どうかしましたか」

動揺は隠せず声に出てしまう。

桐島課長は不思議そうにわたしをみつめてきた。

「この見積書と注文書の処理をお願いしたいんだけど」

と、わたしに渡そうとしてきたのに、

「今見積書の準備しているんで、こちらで処理したほうが早いんですけど、よろしいでしょうか?」

と、牧田先輩はわざわざ聞こえているようなふりをして割り込んできた。

「……じゃあ、お願いしようか」

「はい」

と、桐島課長から書類をもらって牧田先輩は張り切って自分の席へついて仕事をはじめていた。

「あの、わたしはどうしたら……」

ちらちらとわたしは桐島課長をみていると、桐島課長も牧田先輩の行動に驚いたのか少し苦笑しつつ、

「また仕事が入ったらお願いするよ。呼び出してごめんね」

「はい……」

席に戻り、午前中に残していた書類のファイリングとマニュアルの直しをやった。

せっかくの桐島課長と仕事で接する機会があったというのに、牧田先輩の素早い反応でこれから先が思いやられる。