ベタ恋!〜恋の王道、ご教授願います〜

月曜の朝、もしかして出かけるときに桐島課長と出くわしたらどうしようと思ったけれど、いつものように桐島課長はわたしよりも早めに出勤しているから出くわすことはなかった。

意識しすぎればしすぎるほど顔に出そうな気がして会社に着いて制服に着替えているだけで緊張感が増してきた。

総務課の部屋へと入ると、桐島課長はもうすでに自分の席に座って仕事をしていた。

さりげなく挨拶をかわすと、桐島課長も普通にかえしてくれた。

ただの挨拶だけだから変に緊張することはないけれど、手に汗を握りながらわたしは自分の席についた。

仕事といえば、総務関係の仕事ももちろんだけど、最優先事項のマニュアルつくりも終盤になり、あとは修正作業を行うだけとなった。

昼前になり、マニュアルの原稿を仕上げまとめてから桐島課長へ見せにいく前に、牧田先輩にみせるというまわりくどい仕事をしているのだが、

「これ、あたしが課長に説明するから。星野さんは続きをやって」

「……あ、はい」

そういって、牧田先輩はわたしのできたての原稿を全部まとめて席を離れた。

どういう風のふきまわしなんだろう。

今までずっとわたしに資料を渡してくれって頼んでいたのに。

気まずい関係だから、ちょうどよかったりもするけれど。

自分の席に戻り、修正箇所を訂正し、染谷さんに見てもらっていたときだった。