私も浩志も自己紹介はしたけどそれ以上話す事がなくなってしまった
私達は諦めて1階に行こうと階段を降りようとすると
「ねぇ、内藤さんと速水さんって付き合ってるの」
部屋の中から声がした
質問の意味がわからなくてポカーンとしてると
「そう、俺達付き合ってるから」
と浩志が答えた
「そうなんだ」
それだけ言ってあとはなにも言わなかった 。
初めて話してみて思ったことは
変な子 。これしかなかった 。
「おじゃましました」
玄関を開けながら言う 。
「ありがとうね、来てくれて 。」
お母さんは優しく微笑んだ 。
私も、〝はい〟と微笑んだ 。

