約束 ~ 繋がれた手 ~




「あっ、晴香ちゃん、大丈夫なの?」

中に入ると泣き腫らした目をした浩志のお母さんがいた

「はい、すいません」

謝ると

「いいのよ、無理しないでね」

と力の弱い笑顔を見せた

「い…いいですか?浩志の隣にいても」

「うん、いてあげて」

そう言って席を立ち、部屋を出た

ゆっくりとそばに行き、浩志の手に触れた

浩志の手は

小学5年生とは思えないほど、大人の手みたいで

温かくて、触れてるうちに自然に涙が出てきた

「浩志…っごめんっね …」

泣いてるからか、言葉が途切れ途切れになっていた

「浩志 … っ あのね っ … 私、浩志のこと好きっ…みたい」

泣いてるからか、ふとそんな言葉が出てきた

でも、恥ずかしさはなかった