「やっぱり、怖いよね…双子って…」
「うん…」
「前島さん姉妹(きょうだい)の双子…。きっと、その双子達と同じなんだと思う。」
「え…何で…?」
「由紀が…佐藤君の事を好きだったの…知ってるでしょう?」
「うん…。だって、一緒にカラオケに行ったし…。夕方、ゲームセンターに行こうって誘われたけど、私と上田君は帰ったの。ほら、二人きりの方が話しやすいし…」
何だか浮かない顔をしている優奈がいた。
「優奈…?」
「…ゲームセンターに行ったのはね…。妹の方なの…」
「妹?!」
「きっと、知ってたのね…。それだけじゃない…。妹の美紀も…佐藤君の事が好きだったんだよ…」
背筋がゾクッとした。
昔の話の内容と似ていたから…。
「あの二人きっと、向こうでも…」
それ以上、知りたくもなかった。
聞きたくもなかった。
双子が羨ましいと思ってたが、今はもう思いもしない。
逆に恐怖を感じた。
一人っ子でよかった。双子じゃなくてよかった。
私は、今のままでいい。