独り歩き〜冷めたキミの目〜






「あっ、いた(笑」


「涼、つくし。遅いよ。」


俺たちを見つけると、奈々は頬を膨らましながら近寄ってきた。


「てか、お前が勝手に先に行くなよ。探すの大変だったぞ。」


「だって…」


そう言って不貞腐れる奈々を横目に、俺はクスッと笑った。


その後他愛のない話をしながらいつもの道を歩いた。


広瀬の方をチラッと見ると、その目には涙はなくて、いつもよりちょっとだけ柔らかい表情をしていた。


それが何だか嬉しくて、自然と笑みがこぼれた。